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ビジネスを加速させるコミュニティの力。「共創の場」が生む新たなイノベーション(第3回/全5回)

  • INTLOOP Ventures Innovation Community編集部
  • 4月16日
  • 読了時間: 6分

更新日:5月13日



イントロダクション


ビジネスの場において、「コミュニティ」は単なる集まりではなく、企業や個人が成長し続けるための重要な基盤です。特にスタートアップやベンチャーにとって、同じ立場の仲間と連携し、情報を共有し、時に支え合うことは、事業の成長を大きく加速させる要因となります。


対談の第3回となる本記事では、前回に続き、経営者およびコンサルタントとして豊富な知見と経験を持つ椎名氏・林が、スタートアップにとっての「コミュニティの価値」に焦点を当て、その重要性について意見を交わします。コミュニティがどのように新たなビジネスを生み出し、成長の場となるのか――。両者の実体験を交えながら掘り下げていきます。





―― ここからは「コミュニティ」についての語り合いを進めたいと思います。「そもそも、コミュニティとは何か?そして、なぜ必要なのか?」について、お二方のお考えをお聞かせください。


林:

まず、私からお話しさせていただきますね。


会社を立ち上げるときって、少人数でスタートするケースが多いですよね。そうすると、やっぱり横のつながりがなくて寂しいと感じることもあると思います。これは、コミュニティが求められる理由の一つですね。


また、悩みを同じ視点で話せる相手がほしいというのも大きいですし、場合によってはビジネスにつながることも期待できる。だからこそ、特にベンチャーの方は積極的にコミュニティに参加する傾向があると思っています。私自身も、起業当初はさまざまなコミュニティに参加していました。


椎名さんはコンサル出身ですよね?コミュニティの必要性を感じた瞬間はありましたか?


椎名:

そうですね、コミュニティがあると楽しいですし、情報共有もできるので、とても良いと思います。


ベンチャーやスタートアップの創業者が集まるコミュニティもありますが、そういう場では、社内では話しづらい悩みを共有できるのが大きなメリットですね。たとえば、「株の動向ってどう?」とか、「ストックオプションってどう設計してる?」みたいな話ができます。経営者同士でリアルな悩みを共有できる場があるのは、とても重要で、意味あるものだと感じています。


また、最近では、コミュニティにVC(ベンチャーキャピタル)が関わるケースも増えています。スタートアップにとって資金調達は非常に重要な課題なので、コミュニティを通じて投資家とのつながりが生まれるのは、とても良い流れだと思います。






林:

なるほど、確かにそうですね。


椎名:

一方で、技術者コミュニティというのもありますね。特にこの対談全体を貫くテーマである「AI」に関して言えば、AI技術者やエンジニアが集まる場は、また別の意味ですごく重要だと思います。最新技術の発表や、それを聞いて議論する場が各地で開かれていますし、オンラインでもそういった議論が活発に行われている。エンジニア同士、お互いにソースコードを交換したり、知見を共有したりしながら交流することは、すごく重要だと考えています。


これまで、そういう技術コミュニティは英語圏が圧倒的に先行していましたが、最近は英語の壁がかなり低くなってきています。特にネット上では、自動翻訳の精度が上がっていて、読み書きならほぼ問題なくできるレベルになっていますよね。エンジニアは英語が苦手な人も多いので、そこが障壁になって技術情報のギャップが生まれていた部分もありました。でも今は、論文を読むのも翻訳ツールを使えばかなりスムーズになっていますし、そういう意味では日本のエンジニアにとっても追い風になっていると思います。


林:

そういう流れの中で、私たちもこれから、本格的に「IVIC(INTLOOP Ventures Innovation Community)」というコミュニティを立ち上げていくところです。先ほど椎名さんが話していたように、VCを巻き込んで資金面のサポートをしつつ、スタートアップが必要とするリソースを一通り揃える形にしたいんですよね。


たとえば、起業したばかりのフェーズでは、オフィスや設備をできるだけ低コストで揃えたいというニーズがあると思います。でも、いちいち業者を比較して見積もりを取るのは手間がかかる。そういった課題を解決できるような環境を整えたいと考えています。


また、コミュニティに参加する企業同士で協業できる、コラボレーションが生まれる可能性もあります。たとえば、これがコクヨさんのデスクなら、コクヨさんと組んで新しいプロジェクトを展開することも考えられる。基本的に、企業って何かしらの形で他の企業と関わる余地があるので、スタートアップから大手企業まで幅広い業種を集めて、そこで化学反応が起きるような場を作れたら面白いなと思っています。そこから新しいビジネスが生まれていけばいいなと。


椎名:

そういう場って本当に重要だと思うんですよね。たとえば、スタートアップって最初CFOがいないじゃないですか。結局、社長が資金管理をやることになるんですよ。


林:

私もやってましたね。


椎名:

でも、だいたい適当ですよね。資金調達とか、やったこともないし、そもそも何なのかもよくわからないまま手探りでやることが多い。だから、CFOをシェアできるとか、税務面をサポートし合える仕組みがあると、すごく助かるんですよね。


林:

それはもう、取り入れちゃいましょうか(笑)






椎名:

CFOみたいな人が、スタートアップ規模の会社に本当に24時間張り付いている必要があるかというと、社員10人とか20人くらいなら必ずしも必要ない。でも、やっぱり高度な知識はほしいじゃないですか。


林:

確かに。


椎名:

だったら、5社で1人をシェアするみたいな形もアリかもしれない。


林:

それはいいですね。


椎名:

そういう「人材のシェアリング」って当然あるべきだし、あとは「場所のシェアリング」も重要ですよね。ここみたいに綺麗なオフィスがあれば、それだけで人が集まって、自然とディスカッションや交流が生まれる。しかも、それって技術的な交流だけじゃなくて、営業の話になったり、一緒に何か作ろうっていう流れになったりもする。


スタートアップ同士が新しいことを始めるときって、だいたい「ノリ」じゃないですか。「これ面白そう!」「いいね、やろう!」みたいな(笑)。そういうノリで動ける場を提供するのって、INTLOOPさんみたいに大きくなった企業が果たすべき役割、義務とも言えるんではないですかね。 


林:

いやいやいやいや(笑)


椎名:

ちゃんと還元していかないとね!


林:

そうですね、確かに。






  • * *



コミュニティは、単なる情報交換の場にとどまらず、ビジネスの成長を加速させるプラットフォームになり得ます。スタートアップ同士の協業、投資家との出会い、技術者のネットワーク形成など、その活用方法は多岐にわたります。特に、起業初期には「人材」「知識」「場所」といったリソースを効率的に活用できる環境が不可欠。INTLOOPが手掛ける「IVIC」も、スタートアップの成長を支える価値あるコミュニティを目指し、本格始動に向けて動き出しています。


次回(第4回)「フリーランス技術者の居場所をどう作る? コミュニティ活性化のポイントと運営の工夫」では、専門技術を持つ人材にとっての「つながり」の重要性をテーマに議論を展開。技術者コミュニティの発展に必要なポイントや、フリーランス人材との結びつきをどう生み出していくのかについて掘り下げます。ぜひ、あわせてご覧ください!


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