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INTLOOP Ventures AI Lightning Pitch vol.01イベントレポート(3)|VCインタビュー

  • INTLOOP Ventures Innovation Community編集部
  • 5月28日
  • 読了時間: 9分

更新日:1 日前


イントロダクション


2025年4月21日、INTLOOP株式会社は「INTLOOP Ventures AI Lightning Pitch vol.01」と題し、AI領域での成長を目指すスタートアップとVCとの出会いを創出するミートアップイベントを開催しました。


この記事では、当日ご参加いただいたVC各社の皆さまへのインタビュー内容をご紹介します。

投資先を見極める際に注目しているポイントや、スタートアップからのピッチで印象に残った点、さらに起業家やこれからのスタートアップに向けたメッセージまで、それぞれの視点から語っていただきました。

イベントの熱量とともに、VCならではのリアルな声をお届けします。


※イベント全体のレポートは以下の記事をご覧ください。








New Commerce Ventures 代表パートナー 松山 馨太 氏


Q:投資先企業を選定する際に、最も重視している基準は何ですか?


松山氏(以下、松山):

最も重視しているのは「チーム」です。特に重要だと考えているポイントは3つあります。


1つ目は、「誰よりもその業界に詳しいこと」。

これは、業界のプレーヤーや市場の構造、さらには海外の競合企業などについて、深く理解しているかどうかを見ています。本気で成功を目指すのであれば、自ら徹底的に調べる。そうして培われた「詳しさ」こそが、勝ち筋を見出すための土台になると考えています。


2つ目は、「行動力」。

当社はシードステージを中心に投資しているため、アイデアを思いついてから実際に行動へ移すまでのスピード感を重視しています。


3つ目は、「逆算思考」。

掲げた目標を実現するために、必要なステップを逆算して考え、ブレイクダウンして計画に落とし込めているかどうか。


この3点を中心に、私たちはチーム、そして起業家を見ています。



Q:逆に、どのような点を見ると「投資を見送る」という判断になりますか?


松山:

これは、先ほどお話しした「重視するポイント」の裏返しになるのですが、面談時にこちらのほうが業界や市場について詳しいと感じるケースや、仮説検証の視点が欠けているケースは、慎重になります。


スタートアップにおいては、「こうすればこの課題が解決できるかもしれない」という仮説を立て、その仮説を検証しながら進んでいく姿勢が重要です。その思想がそもそもない、あるいは指摘したことに対して柔軟に受け止めて改善しようという姿勢が感じられない場合、やはり一緒に進んでいくのは難しいと感じてしまいますね。



Q:スタートアップのピッチにおいて、最も注目しているポイントは?


松山:

また同じことを言ってしまうかもしれませんが、やはり「事業の解像度」が一番重要です。


たとえば、「この市場にはこういう課題を持った人がいて、現在はこういった手段で解決しようとしているけれど、それでは満足できていない。だからこそ、私たちのソリューションが必要だ」という、一連の仮説がしっかりと構築されているかどうか。そして、その仮説に対する理解や検証の深さ、つまり「解像度の高さ」を見ています。


この解像度の高さは、「誰よりも詳しい」という姿勢や、「行動力」によって自然と磨かれていくものです。たくさんのインタビューやヒアリングを通じて、ユーザーや市場への理解が深まり、その結果として説得力のあるピッチができる。そういう意味で、やはり最も注目しているのは解像度の高さですね。



Q:今後、IVICのイベントやコミュニティへの参加を検討しているスタートアップに向けて、VCとしてのメッセージをお願いします。


松山:

今回、初めて参加させていただきましたが、まず複数のVCと一度に接点を持てるという点で意義のある場だと感じました。また、INTLOOPの林さんの経験談を直接聞ける機会があるのも貴重ですし、事業会社とのつながりをつくれるという点でも価値がありますよね。


資金調達の手段としてだけでなく、事業面でのシナジーを生み出す場としても活用できるでしょうから、ぜひこの機会をうまく活かしてもらえたらと思います。






OASIS FUND 代表パートナー 高萩 浩之 氏


Q:投資先企業を選定する際に、最も重視している基準は何でしょうか?


高萩氏(以下、高萩):

創業者が、事業にどれだけ強い思い入れを持っているかを重視しています。その「思いの深さ」と、事業領域と創業者自身のキャラクターとの「フィット感」があるかどうか。そこが、私たちにとって一番の判断基準です。



Q:逆に、どのような点を見ると投資を見送る判断になりますか?


高萩:

やはり逆に言えば、創業者と事業がフィットしていないケースや、流行に乗っているだけのように感じる事業には、なかなか共感を持ちづらいというのが正直なところです。



Q:ステージ(シード・アーリー・ミドルなど)によって、投資判断は変わりますか?


高萩:

基本的に、私たちはシードのみを対象にしています。



Q:スタートアップからのピッチで、最も重視しているポイントは?


高萩:

そのサービスが「誰の」「どんな課題を」解決するのかを、端的に説明できているかどうか。そこが一番の注目ポイントです。わかりやすく伝えられているピッチには、強く興味を持ちます。



Q:5分という短い時間の中で、スタートアップ側が意識すべきことは?


高萩:

先ほどと重なりますが、「誰の、どんな課題を解決するか」だけでなく、「なぜそれがこれまで解決されてこなかったのか」にも触れていただけると、より興味が湧きます。



Q:今後、IVICのイベントやコミュニティへの参加を検討しているスタートアップへ、VCとしてメッセージをお願いします。


高萩:

INTLOOPさんという上場企業が運営されているこのコミュニティには、多くのステークホルダー(クライアント企業やフリーランスの方々)が関わっています。そうした方々との接点をつくりたいスタートアップにとっては、とても有益な場だと思います。






ON&BOARD株式会社 代表取締役 下平 将人 氏


Q:投資先企業を選定する際に、最も重視している基準は?


下平氏(以下、下平):

一つに絞るのは難しいですが、大きく2つあります。

ひとつは、「この会社を大きくしていこう」という夢やロマンを語り合えるかどうか。もうひとつは、10年近く一緒に仕事をしていく関係になるので、信頼できるかどうか。この2点をとても大事にしています。



Q:逆に、どのような点を見ると投資を見送る判断になりますか?


下平:

創業者が熱中していても、客観的に見ると市場規模が小さいケースや、すでに強い競合がいる場合ですね。あとは、事業は良くてもベンチャーキャピタルとの相性が良くないと判断した場合も、見送ることがあります。



Q:シード・アーリー・ミドルといったステージによって、投資判断は変わりますか?


下平:

そうですね、シードであればあるほど「人」や「将来性」など、いわば「ポテンシャル」の比重が大きくなると考えています。アーリーやミドルになると、実績や販売先など、見えるデータを重視する傾向が強くなりますね。



Q:スタートアップからのピッチで、最も重視しているポイントは?


下平:

「誰に対して」「何を」「どう提供するのか」が明確に伝わるかどうかです。その上で、そのサービスによってお客さんがどのように課題を解決できたのか、どれくらいハッピーになったのか。そこまでクリアに、そして尖った形で伝えられているかを重視しています。



Q:5分という短い時間の中で、事業の魅力を最大限伝えるには、何を意識すべきでしょうか?


下平:

重複になりますが、「自分たちはどういうお客さんの、どんな課題にフォーカスしているのか」を明確にすること。その課題が、業界を知らない人でも「それはつらいよね」と感じられるように、課題の「質」を深く掘り下げて説明するのが大事です。その上で、「自分たちのプロダクトがどのようにそれを解決するか」「どれほど大きなインパクトがあるか」をロジカルに伝える構成が求められます。


特に最初の課題の掘り下げが浅いと、ピッチ全体の価値が伝わりにくくなるので、少し時間をかけてでも課題の質について説明されるとよいと思っています。



Q:今後、IVICのイベントやコミュニティへの参加を検討しているスタートアップへ、VCとしてのメッセージをお願いします。


下平:

IVICは、ヒト・カネ・モノといった経営リソースを得られる貴重な場だと思います。VCとのつながりだけでなく、INTLOOPさんの人的ネットワークやコミュニティも活用できるので、ぜひ積極的に参加されることをおすすめします。






QXLV(クオンタムリープベンチャーズ) 代表パートナー 古谷 健太郎 氏


Q:投資先企業を選定する際に最も重視している点を教えてください。


古谷氏(以下、古谷):

一番重視しているのは、市場マーケットの見立てです。

私たちはシード期のスタートアップに投資しているのですが、目指しているのは「5年後、10年後にスタンダードになっている会社」です。


そのため、今の盛り上がりよりも「これから盛り上がる市場かどうか」という「時系列の視点」をとても大切にしています。市場の規模感や成長性を中長期で見極めていくイメージですね。



Q:逆に、どのような点を見ると「今回は見送り」と判断することが多いですか?


古谷:

やはりチーム、特にファウンダーの人柄や姿勢は大きなポイントです。

市場やプロダクトについては、シードVCとして一緒につくっていける部分でもありますが、ファウンダーがどんな人で、どんな想いで起業しているのかは、私たちがコントロールできない領域です。


「このチームに投資するのは難しい」と判断するケースは、実際に一定数あります。



Q:スタートアップからのピッチで、最も重視するポイントは?


古谷:

「ビッグチャレンジができるかどうか」です。


先ほどもお話ししたように、私たちは5年後、10年後に社会にとって当たり前になるような事業に投資をしたいと考えています。そういった未来を目指すには、大きな壁を乗り越えるチャレンジが不可欠であり、それを一人では越えられないときにこそ、VCとして支援する意味があると考えています。


だからこそ、ピッチでは「起業家として大きな挑戦に向き合っているか」が非常に重要ですし、そこに私たち自身も一番ワクワクしますね。



Q:5分という短いピッチの中で、スタートアップが意識すべきことは?


古谷:

よくお伝えしているのは、「マクロとミクロ、両方の視点を織り交ぜること」です。

ミクロな視点とは、細かい数字や事業計画、エコノミクスなど、事業の実現可能性をしっかりと語ること。一方でマクロな視点は、「このビジネスが大きくなったとき、社会にどう影響するのか」といったスケールの話です。


この2つのバランスがとれていないと、マクロばかりだと中身がないように感じてしまいますし、ミクロばかりだとワクワク感に欠けてしまう。限られた時間でも、この両方の視点を伝えられると、多くのVCに刺さるピッチになると思います。



Q:今後IVICのイベントやコミュニティへの参加を検討しているスタートアップへ、VCとして伝えたいメッセージは?


古谷:

INTLOOPさんは非常に面白いポジションにいる会社だと感じています。

コンサルティング事業を通じて、大企業やエコシステムの課題と直に接しておられる点は、我々VCとは違った強みです。


私たちはスタートアップや事業会社との接点はありますが、「現場のリアルな課題」との接点はそれほど多くありません。

その点、INTLOOPさんが立ち上げようとしているコミュニティは、VC中心のものとは異なり、実際のマーケットや課題とのタッチポイントが多い場になると思います。私自身、スタートアップの皆さんにとっても価値のある、面白い場所になると期待しています。ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。


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