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ヒト×テクノロジーで社会課題に向き合い続ける。INTLOOPの強みと新たな挑戦|林代表インタビュー(第1回/全3回)

  • INTLOOP Ventures Innovation Community編集部
  • 2月25日
  • 読了時間: 9分

更新日:3月27日




近年、企業を取り巻く環境は急速に変化しており、専門的な知見を持つ人材の活用がますます重要になっています。その中で、コンサルティングを軸にエンジニアリングやシステム開発のサービスを提供するINTLOOP株式会社は、正社員とフリーランスを組み合わせた柔軟なチーム編成を強みとし、多くの企業の課題解決を支援してきました。


これからの市場環境の変化に対し、INTLOOPはどのような戦略を描いているのでしょうか。これまでの取り組みとともに、今後の展望と新たな挑戦「INTLOOP Ventures」について、代表・林博文が語ります。






―― まずは、INTLOOP社の事業内容について教えてください。


当社は、コンサルティングを軸に、エンジニアリングやシステム開発のサービスを提供する総合コンサルティング会社です。正社員とフリーランスの人材をハイブリッドに活用し、お客様の課題に応じた最適なチームを編成できるプラットフォームを構築しています。現在、正社員はグループ会社を含めて約1,300名、フリーランス登録者は約4万6,000名にのぼります。


お客様のニーズは多岐にわたり、特定のスキルを持つ人材をスポットで活用したい場合もあれば、10名・20名規模のプロジェクトチームを編成し、包括的な支援を求めるケースもあります。当社は、そうした幅広いニーズに柔軟に対応し、最適なソリューションを提供することを強みとしています。






―― 多様なお客様のニーズに対して、どのような対応を強化してきたのでしょうか?


近年、当社の事業規模が拡大するとともに、プロジェクト提案の機会が増えてきました。また、当社の子会社である日本ディクスは、ソフトウェア開発やインフラ領域を中心に手掛けており、さらに、INTLOOP Strategyでは戦略コンサルティングを提供しています。これにより、上流から下流まで一気通貫で対応できる体制が整い、より幅広いご提案が可能になりました。以前に比べ、単発の支援だけでなく、組織的なプロジェクト支援の機会が増えていると感じています。




―― プロジェクト提案の規模や多様性についてのお話が出ましたが、林社長ご自身も、多様な人材や働き方を意識して会社を作られている印象があります。その背景にはどのような理由があるのでしょうか?


会社を立ち上げた2005年当時から、フリーランスの方々が少しずつ増え始めており、その中には非常に優秀な人材が多くいました。まだ一般的な働き方ではなかったものの、確かにフリーランスとして活躍している人は存在していました。そうした流れを見て、将来的にフリーランスが活躍する社会が訪れるだろうと考えていたんです。また、そうした方々が公平に、自分のやりたい仕事を多くの選択肢の中から自由に選べる環境を作りたいという思いもありました。


働き方がより流動的になり、個々のスキルや志向に応じた仕事ができる社会を実現したいと考え、自らプラットフォームを構築しようと、INTLOOPを立ち上げました。







―― 時代が追いつき、さらに市場も拡大していると感じますが、その点について林社長はどのようにお考えですか?


昔に比べて、コンサルタントやエンジニアを含め、DXの業界に関わる人の数が大幅に増えています。私自身、かつてアクセンチュア(当時のアンダーセンコンサルティング)に在籍していた頃は、社員数が900人ほどでした。しかし現在では、アクセンチュアの社員数は2万人を超え、他のコンサルティングファームも同様に成長を遂げています。こうした業界全体の人口増加が一因となり、働き方の選択肢も広がってきました。


また、以前は外資系企業への転職が主流でしたが、最近では転職自体がより一般的になり、その選択肢の一つとしてフリーランスという働き方が定着しつつあると感じています。



―― 会社の規模が拡大する中で、お客様から寄せられる課題や悩みとして、最近特に多いものは何でしょうか?


現在、最も大きな課題として挙げられるのは、2030年の労働人口減少問題です。すでに直近のニュースでも「アルバイト不足」などが取り上げられているように、多くの業界で深刻な人手不足が発生しています。


また、コロナ禍を経て、ビジネスモデルやライフスタイルが大きく変化したことも影響しています。たとえば、以前は居酒屋で注文する際にタブレットを使うことは一般的ではありませんでしたが、現在では広く普及しました。しかし、こうしたデジタル化の波が浸透しているのは、まだ一部の業界にとどまっています。


実際に、人手不足が解消できず、売上の伸び悩みに直面している企業も少なくありません。こうした課題に対して、我々がどのようにサポートし、解決に導いていくかが、今後の重要なミッションだと考えています。





―― 人手不足の解決策として、外国人労働者の受け入れやAIの活用が挙げられますが、その点についてのお考えをお聞かせください。


今後、日本が現在の人口動態のまま推移し、政府が掲げる経済成長を続けていくとすれば、外国人労働者の受け入れとAIなどのテクノロジー活用の両方を進めていく必要があると考えています。


外国人労働者の受け入れは重要ですが、我々はその分野の専門家ではありません。一部の技術者の方々には今後ジョインしていただくことを視野に入れていますが、我々がより貢献できるのは技術面での支援だと考えています。



―― INTLOOP社も2005年の設立当初はベンチャー企業だったと思いますが、社会課題の解決においてベンチャー企業に期待することや、ベンチャーの強みについてどうお考えですか?


ベンチャーの強みももちろんありますが、私自身が50代に入り、10代・20代の若い世代の方々と話す機会が増える中で、特にテクノロジーの使い方の違いを強く感じます。私の娘も10代ですが、彼らの世代の発想力やテクノロジーの活用方法を見ていると、私自身この業界にいながら「(自分は)少し古いな」と感じてしまうことがあるほどです。


若い世代の創造力や新たなテクノロジーを使いこなす力は、社会課題を解決する上で大きな可能性を秘めています。だからこそ、ベンチャー企業と、すでに一定の経験や基盤を持つ我々のような企業が協力することで、新しい価値を生み出せると考えています。我々は、ベンチャー企業の活躍の場を広げるような形で貢献できればと思っています。








―― INTLOOP社は現在1,000名近い規模となっています。成長を続ける中、このタイミングでINTLOOP Venturesを立ち上げた背景について教えてください。


現在、当社の事業は「人の知見を提供する」ことが主軸ですが、それだけではいずれ限界があると考えています。そこで、単なるコンサルティングにとどまらず、サービスやツールを組み合わせることで、より付加価値の高い提案をお客様に提供していこうという方針を立てました。


ただし、それをすべて自社で開発するのは現実的ではありません。たとえば、AIの研究を専門とする方や、アグリテックの分野で最先端の技術を持つ方など、各領域にはすでに優れた専門家が存在しています。そうした方々の知見を活用することで、より高度なコンサルティングサービスを提供できるのではないかと考えました。


しかし、個別にすべての企業をリサーチするのには限界があります。そこで、我々が適切なメリットを提供しながら、優れた企業や専門家が自然と集まるようなプラットフォームを作りたい。そのような思いから、INTLOOP Venturesを立ち上げることを決めました。



―― 林社長はもともとベンチャーがお好きなイメージがあります。INTLOOP Venturesの立ち上げは、会社のメンバーに「スピリッツ的なもの」を伝えたいという思いもあったのでしょうか?


そうですね。外部の方々とのつながりはもちろんですが、社内でもベンチャー企業やスタートアップに対する関心が高まり、新たな挑戦への気運が生まれてきているのを感じます。今回のINTLOOP Venturesでは、定期的に月1回程度のイベントを開催する予定なのですが、その場に当社の若いメンバーにも参加してもらえたらと思っています。


とはいえ、全員が参加すると人数的に難しいので、厳選しながらメンバーを選び、彼らが刺激を受けられる場にしたいと考えています。その中から将来的にベンチャーを立ち上げるようなメンバーが出てくるのも面白いな、と。INTLOOP Venturesは、そうした新しい挑戦を生み出すための刺激策のひとつでもあると思っています。



―― たとえば、どんな企業を呼ぼうと考えていますか? 具体的にこの人に来てもらいたい、というイメージはありますか?


当社の投資先の中心としては、やはりDX領域の企業ですね。INTLOOPはコンサルティングが主軸なので、特にAIを活用したソリューションを持つ企業とは親和性が高く、そういった企業の方々に来ていただくことが多くなると思います。


ただ、それに限定するつもりはなくて、コンサルティングと掛け合わせることで新たな価値を生み出せる可能性のある企業や、社会課題の解決に貢献するベンチャー企業など、幅広い分野の方々に来ていただきたいと考えています。


制約を設けずにさまざまな業界の方々と交流することで、新しい知見やノウハウをキャッチアップできるというのも、INTLOOP Venturesの大きな目的のひとつです。そういった学びの機会を増やしながら、より価値のあるコンサルティングサービスにつなげていきたいと考えています。






―― 今後、INTLOOP Venturesにかける思いや期待を改めてお聞かせください。


INTLOOP Venturesは、スタートアップだけでなく、提携する大手企業にとってもメリットのある場でなければならないと思っています。そのために、先ほどお話ししたように、一緒に伴走しながらビジネスを大きく育てていくという形で進めていきたいですね。


簡単に言うと、スタートアップと大手企業の“結婚”をどれだけ実現できるか、ということです。その結婚を成功させ、最終的に上場なのか、バイアウトなのかは分かりませんが、ある程度の規模感を持ち、社会的にインパクトを与えられる企業に育っていくことが理想ですね。


そういった成功事例をどれだけ生み出せるか。「この企業が大きくなったのは、INTLOOP Venturesの支援があったからだ」というプレスリリースをどれだけ世の中に出せるかが、一つの大きな目標になると思っています。それが達成できなければ、ある意味では失敗かなと。


ただ、成功事例を増やすためには、単なる資金提供や支援ではなく、共に戦うパートナーとして関わることが大切です。そういう姿勢を貫くことで、スタートアップも大手企業も本気で組む価値を感じてもらえると思っています。



*****


本記事では、INTLOOP株式会社がコンサルティングを軸に、正社員とフリーランスを組み合わせた柔軟なチーム編成で企業の課題解決に取り組んできた背景や、その成長戦略についてお伝えしました。また、働き方の変化や市場環境の変遷に対応しながら、新たに「INTLOOP Ventures」を立ち上げた意図についても語られました。


第2回の記事(「熱量の高い『共創』が成長を加速する。INTLOOPの協業戦略」)では、大手企業やスタートアップとの協業や共創の進め方について、さらに深くご紹介します。ぜひあわせてご覧ください。



 

Editor

INTLOOP Ventures Innovation Community 編集部


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